シーシャ屋が1年以上かけて開発した”炭”, COCOMELTを深掘りする。

今回は、シーシャカフェ Oranger, 禅グループが開発し、販売しているCOCOMELTについて、深掘りさせていただきました。

どういった炭なのか?何が優れているのか?どんな考えで開発に至ったのか?

かなり詳しく、踏み込んでインタビューさせていただきました。

今回は、Oranger, 禅グループを運営する株式会社樹の取締役を務める森田さんに取材させていただきました。


森田涼さん(Oranger 禅グループ取締役)

  • 大学時代のバックパッカー中、中東にてシーシャと出会う。そのままヨルダンでシーシャセットを購入して帰国。
  • 自宅でシーシャを開始し、右往左往しながら、シーシャに浸かっていく。
  • 大学4年生の時にシーシャ屋で働き始めるも、卒業後は一般企業に就職。
  • 25歳になって1店舗シーシャ屋を経営し、その後Oranger 禅グループにジョイン

COCOMELTとは?

COCOMELTはどんなアイテムになるのでしょうか?

COCOMELTは3つのタイプをご用意したシーシャ専用のココナッツ炭になります。

後ほど詳しくご説明させていただきますが、化学系の繋ぎなどは一切使用していない、非常に密度の高い炭となっており、高火力を比較的長く維持できる、シーシャ屋さんにも自宅でのシーシャでもご活用いただける炭になっています。

インドネシア国営の工場と提携し、1年以上かけて開発しました。

どんな特徴がある炭なのでしょうか?

特徴しては、以下のポイントが挙げられます。


  • 火力が高いところで安定する
  • 炭の灰が少ない
  • 嫌な匂いがしない

どうして、こういった品質の高い炭になるのか、説明させていただきます。

ココナッツを使ったシーシャ専用炭

ココナッツ炭は日本では珍しく無くなっていますが、何か既存アイテムとの違いがあるのでしょうか?

多くの違いがあります。まず、品質の高いココナッツの殻のみを原材料として使用しています。

もちろんコスト、原価は上がってしまうのですが、原材料の質で最終的な炭の品質も大きく変わってきますので、この部分には最大限こだわっています。

また、炭の密度が高いのも特徴です。

密度が高いということは使用する原材料の量も、もちろん多くなります。そうなると原価が上がってしまうのですが、コストパフォーマンスの非常に高い出来となりました。

炭の密度が高ければ高いほどより良い炭になるかと言われるとそういうことはなく、密度が高すぎると炭が黒くなり鎮火しやすくなってしまいます。

ここのバランスが非常に難しく、何度も微調整を繰り返して今の配合に至っております。その結果、燃焼時間も長く、鎮火しにくい炭が完成しました。

インドネシア国営工場で生産

炭はインドネシアから輸入されることが多いと思うのですが、COCOMELTもインドネシア産ですか?

COCOMELTもインドネシアで生産され、日本に輸入しています。

一点大きな特徴は、インドネシアの国営工場で生産しているという点です。

品質管理の面、製品開発の際のコミュニケーション、生産体制、全ての点において信頼のおける工場と提携してCOCOMELTは商品開発、生産をしています。

国営企業ということであれば、かなり信頼できそうですね。実際、製品開発を進める上で、難しかった点、こだわった点などを教えていただけますか?

まず、基本的に炭の生産工場では、3~5段階のランクで品質を分けて生産をしています。ランクとしては、S,A,Bなどの三段階の工場が多いような印象です。

このランクは、使用するココナッツの殻の質や、炭の密度によって分けられています。

日本に輸入されているシーシャ用の炭の大半は、S, A, BのうちのBのランクのものです。

ですが、COCOMELTは、Sランクにランク分けされる品質の高いものになっているので非常に高いレベルでの製品開発が必要です。

特に炭の密度に関しては、非常に難しいです。密度が大きければ大きいほど、火力の維持できる時間は長くなりますが、密度を大きくしすぎても鎮火しやすくなってしまいます。逆に、密度が小さすぎてもいけない。

シーシャ作りのさまざまな観点から、店舗経営の経験も活かして、最適なバランスの密度、繋ぎの量などを見定めるのに、1年以上かかりました。

COCOMELTは2種類の原材料しか使っていないから高品質

ここまでのお話だけでも、COCOMELTが高品質なことがわかります。ただ、化学系の繋ぎを使わずにどうやって炭をつくるのでしょうか?

ココナッツとデンプン(澱粉)(+水分)しか使用していない

COCOMELTは、繋ぎ(原材料となるココナッツの殻を繋ぎ合わせる役目を果たす)に、澱粉(デンプン)を使用しています。

逆にいうと、COCOMELTには、原材料としてココナッツの方と澱粉(デンプン)(+水分)しか使用していません。

澱粉(デンプン)は、他の炭でも通常使われます。また、澱粉(デンプン)の配分を増やすとココナッツの殻を使用する量が減るので、原価は下がります。

シーシャ用のチャコールはココナッツ100%と表記されているものがほどんどかと思いますが、これにはカラクリがあります。

本来、ココナッツ100%では炭を固めたり、形成するのが非常に困難であり、”繋ぎ”が必要になってきます。ハンバーグなども肉だけだとまとまらないのと同じ原理です。

そこで繋ぎとして使用されるのが澱粉です。また多少の着火剤を入れているメーカーさんもあります。

ですが、COCOMELTではあくまで、シーシャ作りの観点を第一に考えて製作していますので、炭への火のつきやすさ、燃焼力、火力の観点から最適な澱粉(デンプン)の配分を決めています。

また、シーシャの炭の繋ぎについてですが、シーシャの炭を炊いていて、目が痛くなったり嫌な香りがすることはありませんか?あの、香りや、目の痛みの正体は、繋ぎの品質の悪さが一つの原因です。

COCOMELTでは、そういったことがありませんので、品質の高さがそこからもわかると思います。

COCOMELTのラインナップ

COCOMELTには、3種のサイズがあると思うのですが、それぞれの特徴、そのサイズになった理由はどのようなものなのでしょうか?

COCOMELTでは、3つのサイズの異なる炭をご用意しています。以下の3種になります。それぞれ、厚み、一辺の長さなどに対して根拠を持たせています。

一辺26mmのキューブタイプ

26mm^3 のキューブタイプの炭は、少し大きめのサイズでロータスヒートマネジメントなどに最適なサイズになっています。

このサイズは特に、火力が大きくなることを意識しています。また、世界標準とも言える「26mm^3」のサイズに合わせています。

■ おすすめセッティング ▶︎ ロータスヒートマネジメント

一辺22mmのキューブタイプ

22mm^3 のキューブタイプの炭は、直置きのシーシャを作る際に最適なサイズに仕上げています。

26mm^3

■ おすすめセッティング ▶︎ 直置き

25mm × 25mm × 17mmのフラットタイプ

既存のフラットタイプの炭は、厚さが15mm であるケースが多いのですが、COCOMELTでは、2mm厚い仕様にしています。

というのも、最初の蒸らす時間を短縮させるということだけでなく、厚くすることで火力を上げて、しっかりとフレーバーに火を入れることができるようなサイズです。

炭替えの頻度も下がるようなサイズ感にしています。家でシーシャをする際に、炭替えの頻度も減るので楽になると思います。

■ おすすめセッティング ▶︎ ターキッシュリッド

COCOMELT誕生秘話

そもそも、どうしてCOCOMELTを作ろうという動きになったのでしょうか?

機材であったり、フレーバーであったりは、非常に多くの種類の商品が日本でも流通するようになっています。

ですが、炭に関しては、数えるほどしかブランドも目立ったものはなく、ただ、シーシャを作る上で最も重要なアイテムの一つです。

ロット差の大きな炭などもあり、炭のロットに合わせてお店のオペレーションを変更したり、シーシャの作り方自体も調整する必要があるのは店舗運営に当たっても非常に大きな課題となっていました。

やはり、店舗を運営するOranger 禅グループとして、現状の炭が持つ課題を解決したようなアイテムを日本から出していきたいと考えたのがきっかけです。

フレーバーや機材だけでなく、炭にもこだわっていくような流れをCOCOMLETで作れれば、と考えています。

世界一のアワード(賞)をとっているシャーマンチャコール(ロシア)のオーナーからアドバイスをもらいながら、いいものを作ろうと今でも改良を続けています。

店舗でCOCOMELTを使うメリット

店舗運営の視点からCOCOMELTが誕生したとのことですが、店舗がCOCOMELTを使用するメリットの部分を詳しくお聞きしたいです。

炭替えの頻度が減る

やはり、一番大きなメリットは、「炭替えの頻度が減る」ということです。

具体的には、今までは「15~17分」に一回の頻度で炭替えを行っていましたが、COCOMELTでは、「20~22分」に一回の炭替えで十分になりました。炭替えまでの時間が「約5分」ほど伸びます。

炭替えの頻度が減るということは、使用する炭の量も減るということです。

COCOMELTは、現状人気のあるシーシャ用の炭の価格と比べると少し高めです。ですが、炭1つあたりのコスト差は、わずか「約1.5円」です。

そう考えると、コストパフォーマンスがいいのは、COCOMELTになります。実際にOranger 禅グループでも、1ヶ月の間で使用する炭に総量は、20~30%ほど削減することができています。

コストパフォーマンス以外の部分でも店舗で炭替えの頻度が減る、ということは、お客さまとのコミュニケーションを取るための時間、スタッフがその他の業務を行う時間、ドリンクを作る時間、が増えるということです。

間接的ではありますが、炭替えの頻度が経れば、お店の売上向上にもつながると考えています。

COCOMELTの使い方

COCOMLETを使用する際に気をつけるべきことなどありますか?

気持ち長めにしっかりと焼く

ここまででご説明させていただいたように、COCOMELTの炭は”密度が非常に高く””燃焼剤が含まれていない”というのが特徴です。

ですので、しっかりと焼かないと不完全燃焼な状態のままシーシャに使ってしまうことになってしまいます。

22mm^3のキューブタイプ、25mm*25mm*17mmのフラットタイプであれば、片面6分、もう片面4分の合計10分ほどかけてしっかりと焼いてください。

26mm^3は、10~12分ほど、少し長めに時間をとってしっかりと焼くことを意識して使用するようにしてください。

COCOMELTはカスタム可能

サイズやパッケージなどもカスタムが可能だと、以前お伺いしたのですが、どんなカスタムでも可能なのでしょうか?

ロッド数に応じて店舗のオリジナルパッケージの作成やハーフサイズ(0.5kg)サイズのパッケージ作成等も検討可能となっておりますので、お気軽にお問い合わせください!

COCOMELTは、今後もさらに進化をしていきます。
現在も工場と連携してより良いクオリティの炭になるように日々ブラッシュアップをしております。

Oranger 禅グループの紹介

最後に、COCOMELTをプロデュースしているグループがどのようなシーシャカフェを運営しているのか、皆さん知りたいと思いますので、Oranger 禅グループについて質問させてください。

“Oranger 禅 グループの店舗コンセプトで共通することはありますか?”

元々シーシャがアンダーグラウンドなものとして、イメージされることは多かったのですが、それをなんとか変えたいという思いが立ち上げ当初から強かったので、全ての店舗がカフェらしく、入店しやすい明るいお店になっています。

基本的に路面店で、窓から光が入るようなお店が多いです。

女性が一人でも入れるようなお店、清潔なお店、というコンセプトは全店舗共通していいます。

“どんな特徴のあるシーシャを提供していますか?”

よく言われるのは、

  • シルキーかつ重厚感のある煙感
  • 味が濃い&長持ち

ということです。

濃いだけでなく、お客様に合わせて吸いやすいシーシャを主に提供しています。

スタッフのスキルが高いので、お客様の要望に合わせて、使用する機材、セッティングを柔軟に変えています。

80feet, ターキッシュで提供することもありますが、素焼きボウルでシーシャを提供することももちろんあります。

“どんなフレーバーを取り扱っていますか?”

DOZAJやAl Fakherなどの中東系のフレーバーから、Social Smokeなども、それぞれのブランドで評価の高いフレーバーを柔軟に取り扱っています。

COCOMELTへのお問合せ

COCOMELT公式HPはこちらから>クリック

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