「これまで1回のシーシャで使用していたフレーバー量を”40%”カットできる」って言われたらどうしますか？たばこ税の高い日本において、シーシャは少し贅沢な嗜好品ですよね。そんな状況でシーシャは大好きだけれども、使用するフレーバーの量に気を使っている方もいらっしゃるのではないでしょうか？今回はそんな方々、店舗運営をされる方が喜ばれるかもしれない情報を。
今までよりもシーシャの風味を強化しつつ必要なフレーバー量を40%削減できるサーマルディフューザー
今回ご紹介するのは、アメリカのKaloud社が2022年にリリースし、販売している“Sitra Thermal Diffuser”です。
日本語での名前をつけるとすれば、”サーマルディフューザー”でしょう。
簡単にアイテムを説明すると、こちらのアイテムはフレーバーをセットするシーシャボウルにフレーバーに埋め込むような形でセットして使用するアイテムになります。
● Thermal ▶︎ 熱の、温度の
● Diffuser ▶︎拡散させるもの、散布するもの( 関連 diffuse ▶︎拡散する )
当てはめる日本語がなかなか難しいですが、名前から説明すると、シーシャボウルの中で「熱を拡散させる」アイテムになります。
簡単なご紹介はここまでにして、実際に使用したレビューや比較などをこちらの記事では詳しくご紹介させていただきます。
Kaloud社とは？
みなさん、アメリカのシーシャ業界における先端技術、先端研究を行うシーシャアイテムのブランド”Kaloud”社はご存じですか？2011年に、来日もたびたびされているRezaさんが創業した会社です。
開発販売しているアイテムとしては以下のようなものが挙げられます。
最初のアイテムはみなさん一度は見たこともあるのではないでしょうか？なんて言ったって、世界で初めてヒートマネジメントシステムを開発・販売したのがKaloud社と言われております。
さらに詳しくKaloud社について知りたい方はこちらの記事をチェック
みなさんご存知でしょうか？シーシャが中東で主に楽しまれており、伝統的な方法のみしか市場にほとんど存在しなかった2000年ごろ、アメリカで一人の男が市場を変える”ある”ものを開発したことを。今回は、世界のシーシャの広がりを作り、さらにそのス[…]
Lotus I+ (ロータスヒートマネジメント)
Krysalis® Eltheria® (シーシャパイプ）
Samsaris® Kore® Ceramic Hookah Bowl (シーシャボウル）
Sitra Thermal Diffuser ってどんなアイテム？
シーシャボウルにフレーバーと一緒に詰めて使う
Sitra Thermal Diffuser (以下、サーマルディフューザー)は、ボウルにセットして使用します。
セットした後は以下の写真のようになります。
● サーマルディフューザー 不使用 > フレーバー容量 約20g
● サーマルディフューザー 使用時 > フレーバー容量 約12g (-8g = -40%)
以上のように、サーマルディフューザーを使用すると、不使用時に20gほどセットできるボウルに使用するフレーバーの量が8gほど減ります。割合で言うとちょうど40%ほどフレーバー使用量減ります。
ボウル全体のフレーバーに均一に熱を加える
サーマルディフューザーは、「フレーバーの内部」から熱を伝えることがきる、と言うのが大きな特徴でしょう。
サーマルディフューザーには3種の素材のものが準備されておりますが、それぞれが”熱”を持ち、それを維持することができる素材になっています。
通常であれば、炭をセットした上部から、そして、炭の熱によって温められたシーシャボウルの側面からシーシャフレーバーに熱が伝わりボウルにセットしたフレーバーの外側から熱が伝わるようになっています。
一方で、サーマルディフューザーを使用すると、ボウルの内部のディフューザー自体が熱を持ち、なおかつ複雑な構造になっているディフューザーがボウルに詰められたフレーバー全体に均一に、内部からもじっくりと熱を加えることができるようになります。
使用するフレーバーの量が最大40%カット
使用方法の部分でも言及しましたが、「フレーバーに熱を均一に内部からも伝える」という特徴に加えてさらに大きなポイントがこちらでしょう。
サーマルディフューザーは「使用するフレーバーの量を最大40%カット」します。
それは、ボウルにフレーバーと一緒に内部にセットするため、ディフューザーの体積分のフレーバーが除けられるからです。
ですが、通常であれば熱が伝わり切らずに捨てられてしまうことも多い、「フレーバーの内部」と接地するため、効率よく詰めたフレーバーを吸うことができるようになります。
つまり、「使用するフレーバーの量は減るが、無駄になるフレーバーの量が減るため全体では楽しめる煙の量、持続性は同じ」になる、と言う革新的なアイテムなのです。
使用するフレーバーに合わせて3種の素材で使い分ける
サーマルディフューザーには3種の素材が準備されており、セットになっています。
素材は以下で、それぞれは熱伝導性(熱の伝わりやすさ,はやさ）/ 蓄熱性(持った熱をどれだけ維持できるか）の違いが素材に応じて異なります。
この違いを活用して、特徴の異なるフレーバーにあわせて使い分けることができます。
- アルミニウム
- 熱が最も伝わりやすく、持てる温度の上限も高い
- 耐熱性の高いダークリーフなどに合わせるのが最適
- ガラス
- セラミックとアルミニウムの中間
- 耐熱性がそこまで低くないのであれば使用しても問題ない
- アルミほどではないが、しっかりと熱をフレーバーに伝えたい場合に使用
- セラミック（陶器）
- 最も熱が伝わりにくく、持てる温度の上限も比較的低い
- 比較的熱に弱いフレーバーに使用する（Al Fakher/ Social Smokeなど）
Sitra Thermal Diffuser を実際に使ってみる
使用したセットアップ
- Samsaris® Kore® Ceramic Hookah Bowl (シーシャボウル）
- 容量 > 20~25g
- 素材 > セラミック
- Lotus® III – Stainless Steel (ヒートマネジメント)
- ステンレス製
- Afzal Lychee ライチ (フレーバー)
(1) ボウルにフレーバーとディフューザーをセット
まずはフレーバーをセットします。サーマルディフューザーをセットする前に、今回は5gほどをまず土台としてセットしました。
このうえにサーマルディフューザーをセットして、さらにその上にフレーバーを盛り付けることで、フレーバーの内部にきちんとサーマルディフューザーが触れるようにしてあげます。
5gほどを敷いた上に、サーマルディフューザーをセットします。
ここで気をつけるべき点が、フレーバーの高さです。
今回は、アルミフォイルをセットせずに、ヒートマネジメントをセットして使用するので、ヒートマネジメントの底面にフレーバーを触れさせたくない方は、横からフレーバーの高さを確認してみてください。
サーマルディフューザーをセットすると思いがけず、高さが上がりがちなので要注意。
今回は、サーマルディフューザーの重量を抜いて、フレーバーのみで12gのセットになります。
(2) 立ち上げ
立ち上げは、フラットタイプの炭を三つ使用しています。
蓋はセット、温度が上がりすぎないように注意しています。今回使用するヒートマネジメントがステンレス製ということもあり、アルミ製に比べて”温度が上がりやすく、熱が下がりにくい”という性質に注意しています。
炭をセットしてから、6分間蒸らしました。実際に感じたのは蒸らし時間が同様のフレーバー量を使用した際の立ち上げ時間と比べて、サーマルディフューザーを使用した場合の方が短くなっています。
写真左が、12gのフレーバーを使用（同様のセッティング）、右が12gのフレーバーとディフューザーを使用した際の6分後の立ち上げの初めの吸い上げの際のボトル内の煙の濃さになります。
ディフューザーを入れたことで、下層のフレーバーまで熱が入っていることを、香りと煙の質で実感。
(3) 15分後 > 炭を倒しから起こしへ
今回はどこまで味を引っ張れるかを検証。10分ほど平置きでシーシャを楽しんだ時に“フレーバーの限界ライン”手前に到達。ここがこのセッティングのギリギリゾーン。炭を縦置きに変更し、熱風量の調整を行った
kaloud HMSは壁がないため、平置きから縦置きにし、蓋を活用しながら火力調整を行うのが良いかと思います。
(4) 20分後 > 1回目の炭替え
20分経過したタイミングで少し温度が上がっていたので、蓋を外しました。これまでは、窓を開けて蓋をセットしていました。
また、このタイミングで炭替えを行いました。
(5) 40分後 > 多少の味の落ちを感じる
40分ほど経過すると、多少の味の落ちを感じ始めました。逆にいうと、ここまでは15~20gを使用したシーシャの味の濃さと煙の量と比べても全く変わらない味わいが楽しめています。
40分経過しても味の輪郭はしっかりとしており、これは、サーマルディフューザーも熱を持ち始め、ボウル全体のフレーバーからしっかりと煙が発生しているからでしょう。
(6) 60分後 > 感動し始める
ターキッシュリッド+ 80feetで作った際の１時間後の味と同じくらいの味（15g~17g使用の場合）になってきました。
味はしっかりと濃く、12g/ロータスで作った際の炭替え一回の味ではない。感動レベル。
香料の味（フレーバーの味）はそこまで落ちてない。
まだ炭替えも必要ないような状況です。60分で炭替え一回でしっかりとシーシャの味が未だ楽しめています。
(7) 80分後 > 2回目の炭替え
80分経過したところで2回目の炭替えを行いました。
やはり、80分経過すると味が落ちてきているのが感じられます。ですが、シーシャを終了するようなレベルの味落ちではありません。まだ十分に吸えます。
(8) 100分後 > 煙を発生させるフレーバーの位置が変わった
煙の濃さは若干落ちる。ただ、煙の香りの感じ方としては吸った時に煙の味よりも吐いた時の方が強く味と香りを感じる。
ディフューザーの下に敷かれたフレーバーから発生する煙の配分が多くなったと予測できます。
(9) 120分後 > 終了
120分経過すると、これ以上吸うのは無理をしていると感じられたので終了しました。
結果、12gのフレーバーで2時間程度はしっかりとシーシャを楽しむことができました。
サーマルディフューザーは革命的
今まで以上の濃厚な煙で、使用するフレーバー量も減らせる
実際に使用してみてもわかりますが、
- フレーバーの内部から均一にフレーバーに熱を与えることができる
- 通常であれば熱が伝わり切らずに捨てられる部分もしっかりと吸える
以上の理由で、使用するフレーバーの量を減らしつつ、今まで以上、今までと同等のシーシャの味を楽しむことができます。
いくつか注意点がありますが、自宅でシーシャを作る方で自信がない方などにも強くお勧めできます。
実際に試すと12gのフレーバーで2時間ほど楽しめる
実際に試してみても、12gのフレーバーで2時間しっかりと楽しめたのには感動しました。
フレーバー全体にしっかりと熱が伝わった形跡もありましたし、さすが、世界のシーシャ市場を”ヒートマネジメント”という概念で大きく飛躍させてたKaloud社の最新アイテムです。
サーマルディフューザーを使用できるボウル
こちらのアイテムは、ファンネルボウルでも、ストレートボウルでも使用することは可能で、メーカーもそのように説明しています。
ただ、以下のスペックがあるので、ボウルのサイズは限られてきます。
- サーマルディフューザーの高さ(10mm) > ファンネル中心部の高さ
- サーマルディフューザーの直径(50mm) > ボウルの直径
左がMOONボウル、右がoblako stone。
日本でよく使われる80feetやターキッシュボウルはそれぞれ”高さ””幅”が問題となり使用できません。
日本初上陸に合わせて先行予約販売を予定
こちらのKaloudのThermal Diffuserですが、日本国内にてCLOUD SHOPで販売予定です。
それに合わせて普段は手に入れることも難しい、その他のKaloud社のアイテムも同じタイミングで予約受付いたします。
こちらは追ってアナウンスいたしますので、試してみたい方などはチェックしていてください！
Special Thanks.
ITEMS : Reza CEO of Kaloud
STUDIO : BRO SHISHA STUDIO
TECHNICAL THINGS : シーシャ大佐
