シーシャを吸ったことがある方の中には、吸いすぎて頭がクラクラとした経験がある方もいると思います。そして、そのような症状が重症化すると、一酸化炭素中毒を引き起こすと言われます。今回は、一酸化炭素中毒の原因と対策についてまとめてみました。
一酸化炭素中毒とは?
空気中の一酸化炭素の濃度が高いこと等を原因に起こる中毒症状です。一酸化炭素は無味無臭でありながら毒性が強い気体です。ほんの少しでも吸い込んでしまうと気づかないうちに中毒になる危険性があります。
一酸化炭素中毒の症状
軽い場合でも頭痛や吐き気、重篤な場合は嘔吐・けいれん・失神などが主な症状となります。また、最悪の場合、死に至る危険性の高い中毒症状です。
そして、具体的な症状に関しては以下の表のようになります。
一酸化炭素(CO)濃度(%) | 吸入時間による中毒症状 |
0.04 | 1~2時間で前頭痛や吐き気、2.5~3.5時間で後頭痛 |
0.16 | 20分間で頭痛、めまい、吐き気、2時間で死亡 |
0.32 | 5~10分間で頭痛、めまい、30分間で死亡 |
1.28 | 1~3分間で死亡 |
ちなみに、シーシャにおける一酸化炭素中毒は、対策を不十分にしていない場合にのみ稀に発生し得る症状で、発生しても軽度の症状である場合がほとんどです。(参考程度ですが、国内でシーシャが原因で発症した一酸化炭素中毒の死亡者は確認されていません。*2023年10月 CLOUD調べによる)
シーシャにおける一酸化炭素中毒のリスクと原因
では、シーシャにおいてなぜ一酸化炭素中毒の危険性があるのでしょうか。今回は主要な原因を3つまとめてみましたので、ご紹介します。
原因① 炭が完全に焚けていない
一酸化炭素が発生する原因として、炭素の不完全燃焼が挙げられます。これはシーシャに置き換えると炭が完全に焚けていない状態のことを指します。炭の質が悪い場合や十分に焚けていない炭を焚けていると認識してしまう場合に発生し得る原因です。
特に自宅シーシャでは丁寧に確認しておかないと一酸化炭素中毒を引き起こす危険な原因の一つとなりやすいです。炭の質に関しても、不安であれば近くのシーシャ屋などでオススメの炭を聞いておくと良いです。また、シーシャ屋では基本的にしっかりと焚けた質の良い炭を使用していますが、一応心の片隅で気にしておくに越したことはないでしょう。
原因② 休憩なく吸いすぎてしまう
続いての原因は、シーシャの煙を高頻度で吸い込みすぎることです。以下の記事を参照されるとより理解が深まるかと思いますが、シーシャの煙には一酸化炭素が含まれています。
シーシャ、と聞いて多くの方が想像するのは、チルやリラックスという言葉。興味はあるけど、そもそもシーシャってどういう仕組みで何を吸っているの?そんな不安や疑問もまた、多くの方が抱くものです。今回は、シーシャの身体へのリスクや成分などを詳しく[…]
煙の成分構成を見る限り、紙タバコと比較しても一酸化炭素の含有比率は少ないため、シーシャを過剰に吸いすぎなければ問題ないでしょう。1分間に1〜2回程度の吸引に留め、水分(・糖分)の摂取・休憩を意識的に行うことで安全に風味を楽しむことができると言われています。
また、吸いすぎは酸欠も引き起こしますので、特に注意しましょう。
原因③ 換気が悪い
「換気」は、最後にして最大の原因です。炭を焚く過程にもシーシャの煙にも一酸化炭素は発生しますので、換気が一切ない密室でシーシャを吸う行為は非常に危険です。自宅では換気扇を回し、窓を開けることで十分に対策可能です。また、たまに換気が十分にできていないシーシャ屋もあるようです。吸っていてクラクラする・しそうだなと感じた場合はすぐに換気してほしいとスタッフに伝えるようにしてください。
シーシャにおける一酸化炭素中毒のリスク
そして、これらが複合的に組み合わさることで一酸化炭素中毒症状が発生します。過去の事例を見ても、これらが十分に対策されていないケースの可能性が高いです。
基本的に楽しみ方を間違えなければ、シーシャにおける一酸化炭素中毒のリスクは限りなく低いです。また、少しでも「キツい・身体に不調を感じる」という違和感を感じた場合はすぐにシーシャを中断し、楽な姿勢で水分を意識的に摂取するようにしてください。
一酸化炭素中毒を起こした際の対応例
今回は、実際にシーシャを吸って一酸化炭素中毒を起こした方を目にした際の対応をご紹介します。自分が怪しいと感じた場合もこれらの行動を参考にしてみてください。
①意識確認をします。30秒ほど反応がなければ、すぐに119番へ電話・事情説明をし、救急車を配車してください。(119へ連絡した場合は、基本的に全て電話口の指示に従うと確実です。)
②楽な体制を取ってもらいます。ソファやベッドなどで横になる体制を整えて下さい。
③換気します。窓をすべて開け、換気扇もつけることで新鮮な空気と入れ替えます。
④様子が急変しないか適宜確認しつつ、少しずつでも水分を取ってもらいます。
⑤身体を保温するために、毛布等を掛けます。
⑥時間が経っても落ち着く様子がなければ、救急車を呼んでください。
正しい知識のもと、シーシャを楽しもう。(まとめ)
いかがでしたでしょうか。今回は、一酸化炭素中毒というリスクを持ったシーシャを楽しむ上で、知っておくと良いことをまとめてみました。
もちろん、シーシャは正しく扱うことで、これらの危険性を排除して楽しむことができます。恐れすぎず、誤解もせず、シーシャを楽しんでいただけますと幸いです。