Kaloud社のオーナーに聞いた、シーシャのあれこれ。”なぜシーシャは愛されるのか?”

みなさんご存知でしょうか?シーシャが中東で主に楽しまれており、伝統的な方法のみしか市場にほとんど存在しなかった2000年ごろ、アメリカで一人の男が市場を変える”ある”ものを開発したことを。今回は、世界のシーシャの広がりを作り、さらにそのスピードを格段に上げたと言える、アメリカのKaloud社の創業者兼オーナーである、Rezaさんを招いたインタビューをご紹介させていただきます。

“Kaloud”社とは?

ヒートマネジメントを世界で初めて開発

みなさんがシーシャを作られる際、シーシャをお店で楽しむ際に必ず目にしているもの。

シーシャの適切な温度管理に使用している”ヒートマネジメントシステム”。

今では当たり前ですよね。逆に使わない方が特殊だとされるような。

その概念を作ったとも言えるのが、アメリカ、ロサンゼルス発の”Kaloud”社です。

2011年に創業。2012年に、世界初とされるヒートマネジメントシステム”Lotus® Heat Management Device”(Lotus 1)を販売開始。

今でも、Lotusシリーズを改良・販売しており、現在は”Lotus® III”を最新版として販売しています。

他にもシーシャパイプなども革新的なデザインで公開しており、世界の市場を未だ牽引しているシーシャメーカーになります。

日本に来ることはよくあるんですか?

日本が好きで日本にはよく来ているんです。あまり知られてはいませんが。

日本で何かビジネスがしたいというよりかは、シンプルに日本が好きでよく来ていますね。
京都や東京などが多いです。京都では、山登りなども良くしています。何度か遭難しかけたこともありますが、その話は今日の夜お酒を飲みながらしましょう。

ですが、ここ最近で言うと、コロナの時期(2020年ごろから)に世界中のほとんどすべての国で、シーシャの売上高がカフェもラウンジも、メーカーも落ち込んでいる中で、唯一と言っていいほど市場が拡大していた日本の市場に関しては、世界の注目が集まっていますし、私も非常に興味を持っています。

早速ですがKaloudを設立した経緯を教えていただけますか?

Lotus 1+の誕生

Kaloudは、2010年くらいに私が設立しました。

実は、その当初からKaloudは、電気性のシーシャのフレーバー加熱システムを開発する会社だったんです。

ですが、それらはなかなかうまくいかない。そもそも当時はHMSですが、世界にはなかったんです。ある程度システムが完成して試してみても、僕は正直納得がいかなかったです。私の基本的な考えとしては、市場を獲れると確信できるアイテム、完璧に満足した製品しか販売したくないという、考えがあるので、これはまだ販売できないと考えました。

ですが、開発する過程で“Lotus 1”が生まれていたんです。

合わせてボウルも開発していたので、これで実際にシーシャを吸ってみると、桁違いに美味しくなる。これまでのシーシャの作り方では、ボウルにフレーバーを詰めて、アルミを敷いて上に炭を載せるだけ。それだけです。この作り方は今でもありますが、私は良いとは思わない。

誰でも簡単に美味しく作れる

ですが、作ってみたLotusで作ると、今までのシーシャの味とは全然異なる、さらに大事なのは、誰が作っても、作り方を守れば美味しく作れるというところです。

誰が作っても美味しくシーシャを楽しめるのであれば、当たり前ですが楽しめる人口が増える。シーシャの良さをより多くの人に知ってもらえる。そう言った意味がありました。

実際に、これは最近の話ですが、一度Hookah Battleに出る際に、Lutusの最新版を使いたいというプレイヤーが一人いたんです。

アイテムと作り方を細かく教えてみました。結果、彼は優勝しました。

Kaloudが作るのは、そう言うアイテムだけなんです。

なぜ、シーシャが人々に愛されるのか。

呼吸とシーシャの関係

なぜシーシャを多くの人が好きになっているのか、ここまで広がっているのか、と言うことを想像できますか?これは、シーシャと呼吸の間に関係があります。

シーシャを吸っている間は、人は長く深い呼吸をするようになります。この呼吸方法が、人々をリラックスさせる。本当の意味でのリラックスです。

最近は、スマートフォンも普及し、どこにいても大量の情報が脳に与えられ続ける。常に何かを考えてしまっている。これをリラックスしてない状況と定義する場合の、リラックスと言うものがシーシャの与えるリラックスしているという状況です。

馬上、枕上、厠上

昔から、人は馬に乗っている間、シャワーを浴びている間、運転している間などのクリエイティブになれると言われています。それぞれの行動の際には、普段よりも呼吸がゆっくりと深くなると言われています。そういった時、脳波の話になるのですが、普段のβ波よりも周波数が低いα波が流れるようになります。

これはシーシャを吸っている時に、ゆっくりと深い呼吸をしているのであれば、α波がβ波よりも流れているということになります。これによって、人は意識していても、していなくてもシーシャを吸っている際には、リラックスしていると言えるのです。

シーシャの”なに”に人は惹き寄せられるのか?

シーシャのニコチンに依存しているというよりは、シーシャを楽しむという行為、また、それが生み出す、普段とは何か違うリラックスしている状態を求めているのではないでしょうか。

また、シーシャの依存度は非常に低いとKaloud社の研究では出ています。

オーガニックなたばこ葉に含まれるニコチンの依存性はそこまで高くないんです。例えば、オーガニックなたばこ葉のみを使用した際に摂取するニコチンの依存性を0.4~0.6ポイントとすると、たばこの依存度は、1.5~4.0ポイントほどでしょう。

なぜそうなるかというと、たばこ会社は依存症を巻き起こしてタバコの売り上げを維持し、新たな顧客を獲得します。そのためにも、たばこ葉に人工的に生成したニコチンを添加しているからです。ただ、ダークリーフやロシア系の一部のフレーバーには、ニコチンを同じように添加してキツくしているものがあるので、考え方としては同じでしょう。

つまり、シーシャのニコチンに依存している人(ロシア系のフレーバーをよく吸う人は除く)は少ないという仮説が立てられます。

シーシャを吸っている間の”脳波”

先ほどβ波の話をしましたが、これはシーシャと瞑想との間の共通点も提示します。
瞑想においても、呼吸は非常に重要視されています。普段と比べて深く長い呼吸を意識し、頭を空っぽにする。もちろんですが、瞑想の場に携帯はありません。

どこにいても普段は携帯を見ている、携帯を見ていなくても大量の情報が飛び込んでくる現代においてはそれらから離れ、普段とは異なる深く長い呼吸をすることで、心を落ち着かせる。瞑想においてはそれを意識的にしています。シーシャにおいては、それらをほとんど無意識に実現しているのです。

シーシャの豊かな味わいや煙を吸引するという非日常的な体験に加えて、実は、無意識的な瞑想に近い体験をしているのです。また、人々はそれらに無意識的に依存しているのでしょう。そのためシーシャは繰り返し楽しむ人が多いんです。

また、人はα波の状態にある際には、人とのコミュニケーションに普段よりも集中することができると言われています。これでシーシャがコミュニケーションの潤滑剤と言われることにも合点がつきます。

シーシャを吸う中で、リラックスし、普段よりも会話をしている相手の話に集中できる、さらに自分自身もリラックスすることで普段よりもクリエイティブになるため会話が弾む。そのループを生み出すのがシーシャなんです。

シーシャは現代社会に求められているもの”そのもの”

シーシャは、そう考えると現代の忙しく時間が過ぎる中で、疲弊した大衆が求めている”こと””もの”そのものなのではないでしょうか?

普段よりもリラックスして、普段考えないことにも目が向くようになる。

オンラインでのつながりが多い中で、オフラインでのつながり、時間をより大切にすることができるようになる。

これれは、サウナやキャンプや、ヨガなどを通じて、人々が”意識的に”得ようとしているものです。

それらを”シーシャ”を通じては自然と得られると言うことなのではないでしょうか?

つまり、私の仮説としては、シーシャを好きになる人は、”シーシャ”自体を好きになっていると同時に、無意識的に”シーシャを通じて得られる時間” ”シーシャが作り出すコミュニケーション” などに対して良い感情、感覚を持っているのではないでしょうか。

これらの考えは、Kaloudの運営方針とも繋がってきそうですね。

“ひと吸いごとに世界を変える。”というのが、kaloudの信念です。

これは、ここまでで説明したシーシャが実現した、他の嗜好品では生み出すことができない良い面と深く結びついています。

忙しく過ぎる現代社会の日常のなかで、ゆったりとリラックスし、他人にも自分自身にもより強い興味、関心を向けることができる時間や空間を作り出すのがシーシャなのです。

オンラインコミュニティでは絶対に実現できないことができるようになるんです。

日本で実現したいことや興味のあることはありますか?

日本で特にしたいことは、日本の陶芸家を見つけることですね。

kaloudではすでに、陶器製のシーシャボウルを作っています。そのボウルは、中国の特別な粘土を使っています。

日本では日本にたくさん素晴らしい窯元があるのであまり知られていませんが、中国の陶器は品質が良いものが多いです。中国は数千年も前からお茶を飲む文化があるので、それが関係していますね。私は高く評価しています。

私は日本の茶道の文化が非常に好きなんです。LAに住んでいますが、家にいるときは毎朝、竹の 茶筅(ちゃせん)と、茶碗を使ってお茶を立てて飲んでいますよ。

だから今回、京都の茶室を案内していただけるということで、飛ぶように日本に来ましたよ。LAでお茶を飲むときも、手に入れることができるお茶のブランド数は少ないけれども、一保堂のお茶をわざわざ取り寄せてるんです。

私も日本のお茶の文化が非常に好きですし、興味深いと思っています。個人的に、日本のお茶の文化と、その流れには、シーシャのそれと似たものがあると思っています。
どう思いますか?

他に何か質問があればお答えしますよ!

日本ではヤクザがシーシャカフェを運営することもある?

CLOUD担当者「ノーコメント」

Kaloud社のRezaさんのインタビュー記事は続編があります。

今回のピックアップさせていただいた、Rezaさんとのインタビュー内容は、以下のような内容のものを続編として公開いたします。

  • Kaloud Lotusの素材はどうやって選択しているのか?
  • シーシャ業界で20年経験して思う”本当に美味しいシーシャ”とは?
  • Kaloud社の業界を変える最新アイテム

順に公開させていただきますので、お楽しみに。

その他のインタビュー記事

関連記事

今回は、アメリカ最大手のシーシャショップ,メーカーのHookah Johnを運営する、"John Naddour"氏にインタビューさせていただきました。 どのようにして、Hookah Johnが設立されたのか?アメリカのシーシャ市場[…]

hookah JOhn独占取材-80feet espana