香りと味の関係性 シーシャ 香り

シーシャで感じる”香り”と”味”の関係性

シーシャを吸うと、甘味や酸味などさまざまな風味を感じます。これは、味覚で感じる”味”なのでしょうか?それとも嗅覚で感じる”香り”なのでしょうか?

実は筆者は嗅覚を失った経験があり、その際にシーシャを吸うとほとんど何の味も香りも感じなかったことがあり、シーシャを吸って感じる風味の大半は嗅覚によって感じられるものではないかと考えるようになりました。

今回はそんな味と香りの関係性について深掘りしていこうと思います。


味覚と嗅覚について

味覚とは?

味覚は塩味(しょっぱい)、甘味(甘い)、酸味(すっぱい)、苦味(苦い)、うま味(うまい)の5つの基本味から構成されています。 それぞれの味覚を引き起こす物質として知られているのは、 塩味:ナトリウムイオン、甘味:糖、酸味:酸、苦味:キニン、うま味:グルタミン酸 …などが挙げられます。

また、辛味は味細胞ではキャッチされないため、「辛い」は味覚には含まれていません。辛味は温覚や痛覚などの「感覚」を刺激して「総合的に感じる」ものとなっています。

嗅覚とは?

フルーツの香りやお花の香りといった匂いを感じ取る感覚のことを”嗅覚”と言います。これは、鼻腔の粘膜の一部で、嗅粘膜の嗅覚受容器によってニオイ物質が検知されたときにおこる感覚です。

この嗅粘膜は、切手1枚分ほどであるにもかかわらず、匂いを知覚するための嗅神経細胞が1000万個ほど存在します。

人間は香りを味と錯覚している?

人間は、鼻に入ってくる香りと、喉から鼻を抜ける香りの2つの経路から香りを感じ取っています。

前者を“オルソネーザル”といい、一般的に我々が”香り”を感じ取っていると考えているもので「たち香」と呼ばれたりしています。
一方後者を“レトロネーザル”といい、喉から込み上げる香りを感じる経路です。これは人間のみに備わった香りを感じる能力で、「口中香」「あと香」などと呼ばれています。

そして実は後者の”レトロネーザル”こそが我々の感じる”味”の判定の大部分を司っており、舌で感じる味覚だけではなく、香り(口中香)が味の判断に大きな影響を与えているのです。

その例として、バニラに含まれる香りの成分が、甘味の感じ方を増強させたり、レモンの香りが酸味を増強させたりすることがわかっています。実際に、無味であるシトラール(レモンの香り成分)を用いた実験で、シトラールがあることによって味わいを強く感じ、被験者の80%の味わいに影響があったという結果が報告されています。

また、”かき氷のシロップは全て同じ味である”という話を聞いたことがありませんか?これは、色と”香り”を変えることによって、異なる味を感じているように錯覚しているのです。

いかがだったでしょうか?いうまでもなくシーシャにとって”香り”は切っても切れない重要な要素の一つです。今度シーシャを吸う際はどのように香りを感じているのか、イメージしながら吸ってみるのも楽しいかもしれませんね。

ではまた。