大阪 新世界 pikaspace ピカスペース シーシャと写真

写真とシーシャ。PIKA SPACE(ピカスペース)での新たな時間の過ごし方に迫る。

場所は大阪・新世界。通天閣に串カツ、ビリケンさんで有名な大阪でも屈指の観光地です。

JR新今宮駅から5分ほど歩いた商店街、新世界市場の中にPIKA SPACEはあります。今回の記事では、”写真とシーシャ”という珍しいコンセプトを持つPIKA SPACEさんに直接インタビューさせていただいたので、その内容やお店の紹介させて頂きます!

是非お楽しみ下さい!

写真とシーシャを楽しむお店。”PIKA SPACE”の内装

PIKA SPACEさんの内装は、独特な赤の壁紙と、一面に並べられた写真集が特徴的です。壁だけでなく、橋のように頭上に架けられた本棚にもたくさんの写真集がディスプレイされています。その数なんと400冊以上。きっとあなたのお気に入りの写真集が見つかるはずです。

そして座席は小上がりの上にレトロな絨毯が敷かれており、中東のシーシャカフェを想起させられ、とても魅力的です。

ゆったりと、写真集を見ながらシーシャを吸うのにピッタリの内装となっています。

また、奥側には巨大な水耕栽培エリアがあり、これはオーナーのはるきさんの趣味だそう。

入って右手には2階への階段があるのですが、現在は改装中とのこと。完成が楽しみです。

PIKA SPACEのシーシャへのこだわり

PIKA SPACEは一般的なシーシャ専門店とは異なり、提供するシーシャのミックスは固定です。というのも、さまざまな写真家の”イメージ”を”ミックス”で表現しているのです。

これこそが”写真集とシーシャ”の醍醐味であり、ミックスで再現された写真家の写真集を眺めながら、それを表現したシーシャを吸うことができるという至高の2時間を過ごすことができます。

もちろんシーシャの味のクオリティも高く、かなりこだわって作られていることがわかります。

写真が織りなす世界観に没頭しながら、まるで別世界に来たかのような特別な時間を過ごすことのできる、普通のシーシャ専門店では体験することのできない新たなシーシャを体験することができます。

パイプはエジプシャン EGオーナメント、ボウルとヒートマネジメントは80feetとターキッシュリッドの組み合わせです。

Interview

ということで、オーナーのはるきさんとスタッフで写真家でもある日下さんのお二人に色々とお話を伺いました。

PIKA SPACEをオープンするまでの経緯

はるきさん:実はこの店は9年間ほどやってて、店の業態を変えてるんです。実はコロナ前はイベントスペース&バーのような形で営業してたんだけど、コロナをきっかけに休業しないといけなくなっちゃって。そのタイミングで何かしら動かないといけないなと思ってラーメン屋にしてみたんです。
そのタイミングで今まで隠していた2階をバーとして営業し始めました。ただ、一人でお酒もラーメンも提供するのが、従業員にやってもらうにはオペレーション的に厳しいな、何かしら業態を切り替える必要があるなと悩んでたんです。

日下さん:あのラーメンうまかったけどな(笑)

はるきさん:ちょうど悩んでいた時に、日下さんが勤めていた会社を辞めたことを伝えられ、”じゃあ時間できるね”って話になって(笑)そうこう話していると、”写真”と”シーシャ”って似てるよね、写真集を見ながらシーシャを吸うのって至福の時間だよね、となったのがきっかけですね。

写真集とシーシャというコンセプトは、今までに聞いたことがないものなのですが、お二人は写真集とシーシャにどんな共通点を見出したのでしょうか?

日下さん:

そうですね、僕は初めてシーシャを吸ったのは、20年前イエメンだったんですけど、当時は味はよくわからなかった。でも、シーシャを吸ってる空間がめちゃくちゃよかった。マフラージという屋上の部屋が最高で、お店の雰囲気もそのエッセンスを入れてます。でも、それっきり。日本でシーシャなんてないとずっと思っていました。

でも、2年前に北海道を旅してたら「いわしくらぶ」の磯川大地くんとたまたま出会って、一緒に弟子屈湖でキャンプをして、湖畔でシーシャをごちそうになって、それがめちゃおいしかった。そこから、シーシャって日本にあるんやとわかって、大阪や旅先でシーシャカフェに行くようになりました。

シーシャ吸いながら仕事でもしようと思って入るんですけど、途中から出来なくなるんですよ。ぼーっとしたいんですけど活字がしんどくなってきて(笑)映像もちょっと違うし・・・。そんな時に、”じゃあ写真集がちょうどいいんじゃないか”って思ったんですよね。写真集が好きってのもあったし、写真とシーシャ、響きも似てる。

– 写真集を見ながらシーシャを吸っていると、別の世界に入り込んだような感覚になりますよね。

はるきさん:そうそうそう。なんかこれは知り合いが言ってくれた言葉なんだけど、シーシャって”時空が歪む”っていうのがすごいいい一言だなと思っていて。フランスで寿司屋をしていて、モロッコでも店を持ってる知り合いがいるんだけど、「時間を変える魔法」ってモロッコでは言うんだって教えてくれたんですよ。

写真家のイメージををシーシャの香りに落とし込むという作業はどのようなものだったのですか?

はるきさん:最初は結構あいまいな感じでスタートしたんだけど、大地くんにも相談に乗ってもらって、月に一回集まって打ち合わせで集まって写真集を見ながらミックスを考えてるのがなんか楽しくて。なんかこの写真だったらこのフレーバー必要じゃない?さみしさがちょっと足りないな、もっと狂った感じが必要、みたいな共通認識も生まれてきてすごく楽しくなってきた覚えがあります。

日下さん:その頃にはどっぷりハマっちゃって、最初は5種類ぐらいから始めたんやけど、全種類吸いきっちゃうお客さんも出てきたので追加でミックスを作りたくて。時間を見つけては店に来ていろいろミックスを試してみながら作っていった感じ。一つのミックスで50回以上試作することもあったなあ。

はるきさん:お、今日も来んのかって感じだったよね(笑)

日下さん:ナン・ゴールディンっていう写真家がいて、この人は自分や友達のSEXの後とかを撮ってたりする写真家なんやけど、”情事の後”っていうフレーバーで提供してて。やっぱり情事やから甘い感じのストロベリーとかミルクで表現しようとしたんだけどどうも子供っぽすぎるというかしっくり来なくて。
そんな時にふと”グアバを女性器、バナナを男性器に見立てて、情事の後の寂しさをペアチルで表現してみよう”と思い立って、実際吸ってみると結構しっくり来たんですよね。こんなふうに感情を香りで組み合わせて表現していくのが楽しかったですね。

おふたりのバックグランド・生い立ちについて

はるきさん:僕はね、生まれが宮城県の気仙沼っていう漁師町で育って、とても田舎だから外に憧れていて、三重とか浜松、東京とか転々と色んなところに住んでて、バックパッカーとかもしたりして。で、2年ぐらい陶芸で山籠りをしてた頃、そろそろええかなーぐらいの時に震災がきちゃって、自分の街が被災しちゃったんだよね。それで久しぶりに1年ぐらい帰った。

宮城県沿岸パトロール隊員っていうのがあって、沿岸部の保守点検をやりながら、まあ個人で被災の復興をやって色々手伝ったり、幼稚園の復興手伝ったりとかしてたんだけど。途中からそれに対して疑問をもちはじめたんだよね。

与える与えられるっていう世界をずっと目の当たりにしてて、被災した人たちも与えられることに慣れてくるからそれに対して吟味しだすようになるわけです。そこから、このままここで活動していてもどうなんだろうなと思った矢先に、大阪にいた友達と新しいこと始めようってなって、移動してきたところがここ(PIKA SPACE)だった。

その時に、ここ(新世界市場)で「己を祭る」ってコンセプトの”セルフ祭“ってのを立ち上げて、かれこれ20回近くやってるんだけど。

そんな中で、僕が商売に興味を持つようになって、店として色々試行錯誤し始めたんだよね。セルフたこ焼き屋をして、ツアー会社入ったりしてくれたけど採算が合わなくて、今度はバー、居酒屋、イタリアンのジビエ料理、屋台のホルモンバーガーを出したりとかして。コロナが来るまではインバウンドとかもすごくていい感じだったんだけど、そしたらコロナが流行っちゃったんです。それからラーメン屋に切り替えて、オープンの経緯に至るって感じですね。

– 日下さんはいかがですか?

日下さん:

僕は、普通に大学行って就職活動して電通から内定もらって、すぐにユーラシア横断の旅に行きました。学生の時にできることをって思ったのと、写真を撮りに行きたかったから。日本から船で中国の天津に入ってトルコのイスタンブールまで陸路で横断しました。特に、アフガニスタンは戦争中で、牛乳一本もなくて本当にショックで、もう考え方とかが変わっちゃってて。でもそのまま就職しました。

実際働いてた時は広告作ったりとかを主にしてたんやけど、それ(旅で経験したこと)考えたら、牛乳も満足に買われへんのに、こんなにモノ売ってどないするんやろか、とか疑問に思うようになってて。

とはいえ真面目に働いてたんやけど、ある時病気になって、そこから迷ってないでやりたいことをどんどんやろうと思うようになりました。

ハルキたちと出会ってセルフ祭とかPIKA SPACEを手伝ったり、ボランティアでこの新世界市場とか色んな商店街それぞれの面白いポスターを作ったりして、広告の力で地域を盛り上げることができるのっておもろいなと思って、そういう仕事をやるようになっていった。

今はフリーのコピーライターや写真家をしながら、ここ(PIKA SPACE)を手伝ってます。次は、はるきと沖縄のビーチとかでイエメンのマフラージみたいなお店をしたいなっていってます。 

「新世界から煙で世界へ行ってらっしゃい」

というのがPIKA SPACEのキャッチコピーなんですが、ぜひ、ここで写真集を見ながらシーシャを吸って世界へ逝ってほしいです。


店舗情報

場所大阪府大阪市浪速区恵美須東1丁目20−10
営業時間15:00~23:00
定休日水・木
席数14席
WIFI
電源
紙タバコ喫煙可能