シーシャフレーバーは、どこからどれだけ輸入されているのか。その推移を貿易統計から紐解く

シーシャフレーバーは、どこからどれだけ輸入されているのか。その推移を貿易統計から紐解く

皆さんが普段吸っているシーシャ。多くのブランドやメーカーから様々なフレーバーは販売されてお

り、日本で吸うことのできるシーシャフレーバーは全て海外から輸入されたものです。

今回は、そんなシーシャフレーバーの輸入量の推移や、どの国から輸入されているのかなどを、財務省の貿易統計からリサーチしていきます!

調査方法

財務省貿易統計の、”統計品別推移表”より、各品目の推移表を取得しております。また、使用した品目は、”202403.11-000[この類の号注1の水パイプたばこ]”であり、この記事における”シーシャフレーバー”とはこの品目において輸入されたもののことを指しております。(参照:輸入統計品目表(実行関税率表)実行関税率表(2021年4月1日版))。

フレーバー輸入量の推移

では早速、シーシャの輸入量がどのように推移してきたのかを、年別で見てみましょう。

縦軸は輸入量(KG)、横軸が年を表しています。

グラフの形状から、シーシャフレーバーの輸入量は2020年以前まで非常に低く安定していたことがわかります。2012年から2019年の間では、ほとんど変動がなく、年間の輸入量は数千単位で推移していたと考えられます。

しかし、2020年あたりから急激にシーシャの輸入量が増加しています。2019年までは10,000KG以下で微増を続けていましたが、2020年に入ると総輸入量が20,000KGを超え、2021年にはその約3倍ほどの60,000KG近くまで増加しています。

また、この増加傾向は2021年以降も続いているものの、そのペースは緩やかになっています。

輸入元国ごとのフレーバー輸入量推移

このグラフは、2012年から2023年にかけて日本で輸入されたシーシャフレーバーの量を、輸入元国ごとに色分けして示した積み上げ棒グラフです。

このグラフから、シーシャフレーバーの輸入量の急激な増加だけでなく、その輸入先の国がどのように多様化したかが明確にわかります。

まず、2020年以前の輸入量は非常に少なく、ほとんどの年で複数の国からの輸入が行われているものの、その規模は微小です。この期間は、アラブ首長国連邦、アメリカ、ヨルダン、エジプトなどからの輸入を継続的に比較的安定して行われています。

しかし、2020年以降、輸入量は急激に増加し、特にアラブ首長国連邦、アメリカ合衆国からの輸入が大幅に増えています。また、2021年ごろからはトルコからの輸入も多くを占めており、輸入元国の多様化も見られます。

2023年における輸入量の国別ランキング

  1. アラブ首長国連邦 – 24464 kg
  2. トルコ – 23136 kg
  3. アメリカ合衆国 – 9508 kg
  4. インド – 3516 kg
  5. ヨルダン – 3161 kg
  6. インドネシア – 1687 kg
  7. ロシア – 496 kg

2024年の輸入量推測

このグラフは、2024年1月から7月までの各月のシーシャフレーバーの輸入量と、累計を示しており、7月以降の予測も含んでいます。青いバーと黒い実線は実際の輸入量を表し、グレーのバーと破線は予測を表しています。

1月から7月までの間、全体的に安定した輸入量が見られます。特に大きな変動はなく、月ごとの輸入量はほぼ一定のペースで推移しています。

1月から始まり、若干の上下は見られるものの、2024年7月までの輸入量は全体的に安定しています。特に5月から7月にかけては、輸入量が一定の水準で維持されており、急激な増加や減少は見られません。このことから、シーシャフレーバーの需要がある程度安定していることがわかります。

前年7月における累計輸入量37,943Kgに対し、今年7月におけるそれは40,432kgと微増しており、最終着地予想も同じく前年65,968kgに対し今年72,766kgと2021年度以降の安定した増加量を維持していくものと思われます。

いかがだったでしょうか?シーシャを吸う時は、そのフレーバーがどこで作られ、輸入されたものなのか、そんなことに思いを馳せてみるのも良いかもしれませんね。