今回は古い話になりますが、JT(日本タバコ産業)がエジプトの大手シーシャフレーバーブランドを買収していたニュース記事について簡単にご紹介させていただきます。
紹介に加えて、CLOUDなりの分析を残させていただければと思います。
2012年にJTがナハラ社を買収
2021年11月16日の日本経済新聞の記事によると、JTがエジプトの大手タバコメーカー”ナハラ”社を買収したとのこと。
ナハラ2社の11年12月期の税抜き売上高は88億円。エジプトのほか中東、北アフリカの85カ国で水たばこを販売し、前期の販売量は紙巻きたばこ240億本に相当する2万4000トン。
記事には以上のような日経新聞のコメントが残されていた。ナハラ社は特に北アフリカなどのマーケットをタバコ事業において抑えていたため、JTにとっては北アフリカ進出への足がかかりとして買収したとの意見が多いようです。
買収金額は〇〇億円?
日本たばこ産業(JT)は16日、エジプトの水たばこ会社、ナハラを買収すると発表した。買収金額は200億円前後とみられる。
記事によると、ナハラ社の買収金額は200億円前後だということです。
売り上げ規模で言うと、買収前年度の数字で88億円ほどだと言うことです。
この数字を見ると、ブランドを持つプロダクト開発の会社の買収金額は年間売上高の2~10倍だと言われているので妥当な金額で買収されているのではないかと思います。
なぜ、JTはナハラを買収したのか?
一番大きな理由は、JTの中東、北アフリカへのタバコ事業での進出というものだと思います。
JTはサウジアラビア、レバノン、アルジェリアなどで紙巻きたばこを販売しているが、エジプトは手つかず。同国の紙巻きたばこ市場は伸びており、ナハラを足がかりにシェア獲得をめざす。
日経新聞でもこのように記載されているように、タバコ事業での海外展開強化が大きな理由になっていそうです。
また、JTは同年、ベルギーのタバコ事業会社を約460億円で買収したばかりです。
海外進出、海外事業の売り上げ強化、という文脈でナハラ社も買収したのだと考えられます。
CLOUDの考え
では、JTがナハラ社を買収した理由はタバコ事業を強化するためだけなのでしょうか。
我々の考えとしては、ナハラ社を買収することで水タバコ事業を知る、水タバコ事業も少し噛んでおく、といった理由も大きく存在しているのではないかと考えています。
それまでは、水タバコの事業を持っていなかったJTは、この買収を通じて、水タバコ事業を JTが間接的に所有することができるようになっています。
買収当時から、ヨーロッパを中心に水タバコが大きく広がっていく中で、その流れが日本にもやってくるとJTは予測していたのではないでしょうか。
実際、ナハラ社を買収することで、同社売り上げ割合のうちでも30%を占める水タバコ事業を所有し、水タバコの製造、販売について知識と経験もJTは手に入れたわけです。
現在、毎月50〜100店舗のスピードで日本でシーシャ屋さんが増加しています。
シーシャ市場が日本でも急速に発達しているのです。
JTはこうなることを予想して、現在、日本初のシーシャブランドを準備しているのかもしれませんね。
関連しているところで言えば、世界のフレーバーブランドをまとめた記事がありますので、参考にしてみてください。