アルミニウムに表裏は存在しない?シーシャでのアルミの面の使い分けも解説

アルミホイルに表裏は存在しない?シーシャで使う際の影響も解説

アルミホイルを使う時、テカテカした面とマットな面があることに気づくかと思います。これはどちらが表でどちらが裏なのか、疑問に思ったことはありませんか?実は、厳密にはアルミホイルの表裏という概念はなく、製造工程の特徴上現れる違いなのです。

今回は、そんなアルミホイルの秘密に迫っていきます。

なぜ表と裏で違いが出るのか?

なぜ表裏で”光沢のある面(光沢面)“と”マットな質感の面(艶消し面)“があるのでしょうか?それは、アルミホイルの製造工程に理由があります。

アルミホイルは、“圧延”という製造方法で作られています。これは、簡単にいえば2本のロールの間にアルミニウムの薄板をはさんで回転させてつぶし、薄くする方法です。

しかし、この方法ではコスト面・技術面での制約から、製造できるアルミホイルの厚さに限界がありました。そこで新たな製造方法が誕生します。それが“重合せ圧延”です。

ロールを入れる側で、材料(アルミ薄板)を2枚重ねにしてロールに噛ませ、出てくる側で一つのコイルに巻き取ります。そうすると、”圧延”で製造したときの半分の厚さのアルミホイルを作ることができます。

この製造過程において、圧延の際にアルミとアルミが重なって圧縮される面が出てきます。この面は、材料組織がランダムな方向につぶされるため、光が乱反射して光沢のない艶消し面となるのです。

光沢面・艶消し面それぞれの性質

アルミホイルには、「熱伝導」「光の反射」「熱の反射」といった性質があります。

熱伝導とは、接しているものの熱を良く伝える性質です。アルミのグラスに冷たい飲み物を注ぐとすぐに冷えるのはこのためです。

光の反射は、赤外線や紫外線などの光線をきわめて良く反射するという性質です。窓にアルミを貼ると室内の温度上昇を抑えることができるのはこのためです。

熱の反射は、物体から放出される熱(輻射熱)を反射する性質です。

基本的には光沢面と艶消し面にこれらの性能の違いはありません。

しかし、光と熱の反射という点においては、わずかながら光沢面の方が優れていると言われています。ではシーシャを作る上でこの表裏の性質はどのように活用できるのでしょうか?

ボウルに貼る時の違い

ここからは筆者の主観の入った部分が多いです。シーシャを作る際の参考程度にご覧ください。

  • 光沢面を上(外側)にした場合、炭(HMS)から発される輻射熱の反射は強まり、フレーバーやボウルが持つ熱の反射は弱くなると考えられます。
  • 艶消し面を上(外側)にした場合、炭(HMS)から発される輻射熱の反射は弱まり、フレーバーやボウルが持つ熱の反射は強くなると考えられます。

ただし、どちらの場合も炭(HMS)と接することによる熱伝導の影響による、アルミホイルへの熱の伝わり方に変化はありません。そう考えると熱の反射の細かい大小はそこまでシーシャの味に影響するとは考えにくいです。

加えて、アルミホイルに穴を開けて吸うことによる空気(熱)の流れやボウルの素材・タイプ、使うHMS、フレーバーの詰め方など、シーシャの味(フレーバーへの熱の伝わり方)に影響するパラメータは多く存在するため、このアルミホイルの面による違いはそこまで大きくなく、あくまでそのうちの1つとして考える必要があります。