シーシャとは、たばこ由来のフレーバーを炭で熱し発生した蒸気を、水を介して煙をろ過しそれを吸うものです。
シーシャ(水タバコ)は、約400年前の古代ペルシャとインドでの起源をたどります。
その名前は”ゴザ・ナルギレ・ハッブルバブル”など場所によって異なり、現在は文化としてだけでなく嗜好品としても世界中で人気になっています。
近年日本でもシーシャの人気が勢いを見せており、シーシャ(水タバコ)が実際に気になってる方も多いかと思います。
そんなシーシャ、多くの人が抱える疑問としてこんなものがあるでしょう。
「シーシャって害はないの?」
「シーシャってタバコと比較して健康への影響はどうなの?」
今回の記事はそんな疑問に注目した内容の記事になります。
もちろん、タバコよりは体に悪くないと言われることも多いですが、体に全く無害ということは絶対に言えません。
タバコとシーシャの有害性を比較する議論は多くなされていますが、実際タバコは5分〜10分、一人で吸い切る(肺に入れる)ものである一方で、シーシャは2時間ほど、複数人で回すもので、なおかつ肺に入れないものであるので、非常に議論が複雑になっています。
この議論の結論に至る前に、いくつかの事実をご紹介します。
「そもそもシーシャとは?」という方は先にこちらのシーシャ(水タバコ)とは?楽しみ方や仕組みについて解説をご覧いただくと、本記事をよりお楽しみいただけるかもしれません!
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事実1 水を介した煙のろ過について


水を介して濾過する煙は、たばこで使われるフィルターを通過する煙よりも安全であるかどうかについては詳しい研究がなされていません。
そのため、水をフィルターとしてシーシャで煙を吸い込んだからといって、タバコと比べて有害物質を排除する割合が高いかどうかといえば何とも言えないのが現状です。
またやや本筋から逸れますが、そもそもシーシャの煙を肺に入れるかが人によって異なるのもひとつの論点になるかもしれません。
シーシャの有害成分の種類は、タバコより少ない
しかし一つ言えることがあります。
それは、シーシャのフレーバーに含まれる有害物質は4つの主要成分しかない一方で、タバコには少なくとも82種類の有害物質が含まれているということです。
この意味では、濾過しているかどうかという部分ではなく、そもそも含まれている有害物質の量で比べるとタバコの方が体には悪いかもしれません。
シーシャに関する海外の研究はシーシャの煙に含まれる物質とその割合、タバコとの比較にまとめています。気になる方は是非ご覧ください。
事実2 依存性について
シーシャを吸うこととタバコを吸うことの中毒性を比較すると、シーシャはタバコほど中毒性がないということもいうことができます。
ただこのことは、ただの多くの人の意見であり、科学的に言えば、ニコチンを摂取することで身体的に依存してしまうことは間違いないことであるので、ある程度依存してしまうことが起こりうるとは言えます。
依存性・中毒性についてはシーシャが健康に与える影響。その依存・中毒性について解説でも触れていますので、気になる方はご参考にどうぞ。
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依存を引き起こす物質は含まれているが…
ですが、タバコのように一日10本ほど吸うのではなく、多くても1週間に数回のケースが多いのがシーシャですので、タバコと比べて依存性が低いのは確かかもしれません。
事実3 シーシャ1回はタバコ100本分???


シーシャを1時間吸うことが、100本のタバコを吸うことと同じだと主張する人がいます。
ただ、インターネット上のどこの研究結果を記載したレポートを探してもそのような主張を裏付けるエビデンスは見つかりませんでした。
シーシャに関しては、詳しい研究が(特に日本では)十分になされていないのが現実です。
ただ一つ言えることがあります。
それは、2本のタバコを一度に吸った場合、通常であれば人はフラフラしてしまうものの、シーシャを数回(タバコの煙と同じくらい)吸ったとしても、全ての煙を肺に入れない限りそこまでフラフラすることはないということ。
ですので、シーシャを吸う本人からすると、シーシャの一回分の煙がタバコ100本分であるということは全く想像できません。
もちろん、決して無害でないことは確かなのですが。
ちなみに、シーシャの煙に含まれる成分・物質とその割合、タバコとの比較。ニコチン量は?という記事では、シーシャに含まれる成分について調査したとある研究を題材にしています!
気になる方はこちらも併せてチェックしてみてください。
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事実4 炭から発生する一酸化炭素について
シーシャにはタバコと異なる点があります。それは、フレーバーを熱する際に”炭”を使用しているという点になります。
紙タバコを吸う際には、ライターなどで先端に火をつけ燃焼させて煙を吸いますが、シーシャは炭(主にココナッツ炭)を使用し、アルミホイルや専用の器具(ヒートマネジメントシステム)を利用してフレーバーを加熱し、煙を吸います。
シーシャの仕組みに関してはこちらの記事をご参考ください!
この記事では、シーシャの煙を吸い込んで吐き出すことで大量の煙(水蒸気)が出る仕組みについて説明します。 仕組みを理解することで、うまく吸うこと、お家シーシャを始める際、自分でシーシャを作るときに参考になると思います。 […]
この際、炭から発生する”一酸化炭素”を同時に吸い込むことになり、これにより気分が悪くなったりフラフラするような症状が見られることがあります。
特に、”炭が十分に燃焼していない”場合や、”休憩なく吸い続ける”、”換気がうまくできていない”ような状況において、このようなことが発生する確率が上がります。
シーシャによる一酸化炭素中毒の危険性と、原因、適切な楽しみ方などをこちらの記事で紹介しております。
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いかがだったでしょうか?シーシャはあくまでも”嗜好品”です。体への害もありますが、それ以上の魅力を感じる人が多いこともまた事実です。シーシャについて正しく知り、より充実したシーシャライフを。